2011年10月、私は震災の被害の大きかった宮城県沿岸部に行ってきました。
ボランティアとしてお手伝いをするとともに、被災地の真実について自分の目で確かめたかったからです。
そこで、支援物資の配達などを手伝い、あらためて被災者の方の悲しみや苦しみを知りました。


同時に知ったのが、犠牲になったたくさんの命の中に、様々な動物、植物の命があったことでした。
家族同様の動物と別れ、悲しい思いをしている方々とお会いしました。
また、反対に飼い主が見つからず、ひとりぼっちになった動物たちをお世話している
ボランティアの方々ともお会いしました。
恐ろしい津波からせっかく助かったのに、動物であるという理由で
避難の網からもれて失われた命もあると聞きました。
私の大切な家族にも、動物がいます。そのような話をきいて、心が引き裂かれそうになりました。


亡くなった動物たちは、大好きだった飼い主さんが自分のことで辛い思いをしていることを、
きっと、とても心配しているでしょう。
動物たちと飼い主さんの心を、私たちが描く絵によってつなぐことができたら、と思ったとき
「震災で消えた小さな命展」の開催を決めました。


「震災で消えた小さな命展」は、被災者の方から描いて欲しい動物をうかがい、
絵本作家・画家・イラストレーターによって、亡くなった動物たちを、絵の中によみがえらせる、というものです。
展覧会終了後は、希望を書いていただいた被災者の方へその絵をプレゼントいたします。
現在、約58名の作家たちが賛同してくれています。
展覧会は、現在、愛知県・宮城県・岩手県・東京都・台湾・和歌山県での開催が決まっています。


今回の震災で私の胸に深く刻まれたことがあります。
津波で亡くなったたくさんの人々の命も、亡くなった動物たちの命も
その命を想う人にとっては、みんな等しく大切な命であるということです。
「震災で消えた小さな命展」では、命の平等さについても伝えていきたいと思います。



              「震災で消えた小さな命展」代表 うさ







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